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軟部肉腫とは? |
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「軟部肉腫(なんぶにくしゅ)」とは、脂肪、筋肉、靱帯(じんたい)、滑膜(かつまく)、神経、などの「軟部組織」に発生する腫瘍である「軟部腫瘍(なんぶしゅよう)」の悪性のもののことをいいます。その種類は 30種類以上あります。
軟部肉腫が発生する場所は、手足、体幹(たいかん:胴体のこと)、頭頸部(とうけいぶ:脳より下方で、鎖骨より上方の領域)など、軟部肉腫の種類により体の様々な部位に発生します。
軟部肉腫は血液にのって転移しやすく、多くは肺に転移します。腫瘍の種類によっては、リンパ節転移が起こることもあります。
子供から高齢者まで、幅広く発生するものですが、発生率は10万人に 2人くらいなので、まれな病気といえます。子供に発生する確率はさらに低いです。
軟部肉腫は治療の難しい腫瘍ではありますが、転移しにくいものであれば、しっかりと治療を受けることで約90%が治ります。転移するものでも約60%は治るといわれています。
ですから、軟部肉腫は早期発見だけでなく、必ず専門医のいる病院で治療することが重要です。
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軟部肉腫の種類 |
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軟部肉腫は数多くの種類があり、30種類以上もあります。そして、種類によって発生する体の場所にも違いがあります。
下記に軟部肉腫の一部を紹介します。
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・悪性線維性組織球種(あくせい せんいせい そしき きゅうしゅ)
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大腿部(だいたいぶ:ふとももの部分)に発生しやすく、高齢者に多いです。軟部肉腫ではもっとも多くみられるもので、軟部肉腫全体の約26%です。 |
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・脂肪肉腫(しぼう にくしゅ)
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大腿部(だいたいぶ:ふとももの部分)に発生しやすく、40〜50歳代に多いです。軟部肉腫では 2番目に多くみられるもので、軟部肉腫全体の約23%です。 |
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・滑膜肉腫(かつまく にくしゅ)
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比較的若い人の手や足、または膝などの関節の近くに発生します。滑膜とは関節の内側をおおっている膜のような組織です。滑膜肉腫の組織は、この滑膜によく似ていることから、この名前がつけられました。軟部肉腫では
3番目に多くみられるもので、軟部肉腫全体の約10%です。 |
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・横紋筋肉腫(おうもんきんにくしゅ)
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小児に発生する代表的な軟部肉腫です。頭頸部(とうけいぶ)や泌尿器・生殖器によく発生する腫瘍ですが、手や足にも発生することがあります。発生確率は、軟部肉腫全体の約7%です。 |
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※頭頸部とは、脳より下方で、鎖骨より上方の領域のことで、顔面頭部から頸部全体(のどの辺り全体)のことです。 |
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・悪性神経鞘腫(あくせいしんけいしょうしゅ)
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・平滑筋肉腫(へいかつ きんにくしゅ)
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後腹膜(こうふくまく)と腸間膜(ちょうかんまく)に発生しやすく、高齢者に多いです。発生確率は、軟部肉腫全体の約6%です。 |
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※後腹膜とは、腹腔(ふくくう:腸や胃などが入っているお腹の空間)の背中側にある腹膜と、背骨や背中の筋肉との間の領域で、大動脈、腎臓、尿管などのある場所のことです。 |
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※腸間膜とは、腹部の臓器を固定している膜のこと。お腹の中の腸と腸を膜でつなげて、互いが離れすぎたりしないようにしています。 |
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・繊維肉腫(せんい にくしゅ)
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主に手や足以外の体幹部(たいかんぶ)に発生します。40〜50歳代に多いです。発生確率は軟部肉腫全体の約2%です。 |
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※体幹部とは、簡単にいうと胴体のことです。 |
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・その他
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・骨外性軟骨肉腫(こつがいせい なんこつ にくしゅ) |
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・胞巣状軟部肉腫(ほうそうじょう なんぶ にくしゅ) |
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・類上皮肉腫(るいじょうひ にくしゅ) |
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・骨外性ユーイング肉腫(こつがいせい ゆーいんぐ にくしゅ) |
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