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前のページ「がんの予防@〜がんとたばこ」では、喫煙(たばこ)ががんの関係について解説・紹介しました。
このページでは、食生活という面から、がん予防について見ていきましょう。食事は誰もが毎日行うものですので、知らず知らずのうちにがんの発生確率を高めてしまう物質を含む食物を食べている場合もあります。
ただ、何を食べるのかは、自分でコントロールすることができるので、食生活からがんの予防をすることができます。
現在では、がん予防に有効な栄養素や食生活の方法などがわかってきています。ですので、どんな栄養素や食物をたべて、何に注意すればよいのかを知って実行することが、がん予防につながりますよ。
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がんを防ぐ栄養素 |
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がんを防ぐ栄養素に、「ビタミンC」、「ベータカロテン(ビタミンA)」、「ビタミンE」、「食物繊維(しょくもつせんい)」、があります。
「ビタミンC」は、発がん物質である「ニトロソアミン」の発生を防ぎます。「ニトロソアミン」は、肉や魚に含まれる「たんぱく質」や、野菜などに含まれる「亜硝酸(あしょうさん)」が反応することで、胃の中で作られます。
ビタミンCは、亜硝酸を硝酸に変える働きがあるので、ニトロソアミンへの合成を阻止(そし)してくれます。
「ベータカロテン(ビタミンA)」は、発がん物質が正常な細胞にとりつくのを防ぐ働きがあります。発がん物質は正常な細胞にとりつくときに酸化反応が必要なのですが、ベータカロテンは酸化作用をおさえる働きがあるので、発がん物質が正常細胞にとりつき、遺伝子を傷つけるのを防ぎます。
ちなみに、ベータカロテンは体内に吸収されると、ビタミンAに変化します。「ビタミンA」とは、いちばん最初に発見されたビタミンです。動物性の食品に含まれる「レチノール」と植物性の食品に含まれる「ベータカロテン(βカロテン)」の
2つ種類があり、それぞれビタミンAに分解されます。
植物性脂肪に多く含まれる「ビタミンE」も、ベータカロテンのように酸化反応をおさえる働きがあります。
そして、「食物繊維」は、大腸がんや乳がんの発生をおさえる効果があるといわれています。便秘は大腸がんのリスクを高めるとされているので、食物繊維をしっかりととることで、便秘解消につながります。
また、食物繊維が腸の中で分解されてできる「植物エストロゲン」は、大腸がんや乳がんが発生するリスクをおさえるとされています。
「エストロゲン」は女性ホルモンの一種なのですが、大腸がんと乳がんの発生にも関わっています。植物エストロゲンは、このエストロゲンの働きをおさえるので、植物エストロゲンに分解される食物繊維は、大腸がんの予防や乳がん予防に効果があるというわけです。
それでは下記に、がん予防の効果のある「ビタミンC」、「ベータカロテン(ビタミンA)」、「ビタミンE」、「食物繊維」、を多く含んでいる食品を紹介しますので、参考にしてください。
▼ がん予防に効果のある食品
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・ビタミンCを含む食品 -
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ほうれん草、ブロッコリー、菜の花、芽キャベツ、小松菜、かぶの葉、ネギ、柿、レモン、オレンジ、イチゴ、グレープフルーツ、パイナップル、パパイヤ、キウイフルーツ、など |
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・ベータカロテン(ビタミンA)を含む食品 -
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ほうれん草、小松菜、にんじん、かぼちゃ、パセリ、春菊、にら、大根の葉、など |
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・ビタミンEを含む食品 -
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大根の葉、かぶの葉、かぼちゃ、モロヘイヤ、ひまわりの種(ヒマワリの種)、ふき(ふきのとう)、しそ(紫蘇)、パセリ、落花生(らっかせい)、アーモンド、菜の花、アボカド(アボガド)、小麦胚芽、松の実、うなぎ、卵黄、数の子、ピータン、豆乳、鮭の筋子、いくら(イクラ)、タラコ、ししゃも、など |
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・食物繊維を含む食品 -
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ほとんどの野菜類、ほとんどの果物類、豆類(納豆、おから、いんげん豆、とうもろこし、枝豆、あずき、など)、いも類(さつまいも、じゃがいも、里芋、かぼちゃ)、海藻類(わかめ、こんぶ、ひじき)、きのこ類、穀物類(オートミール、シリアル)、など |
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