狭心症は、大きく 2つのタイプに分類することができます。
それが、「労作時狭心症(ろうさじ きょうしんしょう)」と「安静時狭心症(あんせいじ きょうしんしょう)」です。
このページでは、労作時狭心症(労作性狭心症)について見ていきましょう。
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労作時狭心症 (ろうさじ きょうしんしょう) |
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労作時狭心症(労作性狭心症)とは、運動などの少し激しく体を動かしたときに、症状が起こるタイプの狭心症です。
体を動かすと、体の筋肉は酸素を多く必要とするので、全身の血流を早くするために心臓の動きが活発になります。
心臓の動きが活発になることで、心臓の筋肉(心筋)にも多くの酸素が必要になるので、血流も多く必要になります。
しかし、冠動脈が動脈硬化(粥腫)により狭くなってしまっていると、狭くなっている先に多くの血流がうまく行き渡らなくなります。
そのために、心筋が酸素不足になってしまい、狭心症の発作が起こってしまいます。
労作時狭心症の発作は、起こってから約5分以内におさまることが多いです。
労作時狭心症は、動脈硬化の状態により、さらに分類されています。
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安定狭心症 (あんてい きょうしんしょう) |
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安定狭心症とは、労作時狭心症の一種です。数秒の短い発作が、決まった時間や同じ動作を行う度に起こる狭心症です。労作性狭心症の大部分が安定狭心症に属します。
安定狭心症は、表面が皮膜でおおわれていて破れにくくなっている粥腫(じゅくしゅ)が冠動脈の血流を妨げるために起こります。
粥腫(じゅくしゅ)が破れにくい状態であるとはいえ、悪化していく可能性もあり危険です。症状も短いですが、安心せずに、病院で診てもらいましょう。
※粥腫(じゅくしゅ)とは、冠動脈などの血管の内側の壁(血液が流れるところの壁)に、コレステロールなどがこびりついてたまってふくらんだ動脈硬化の巣のことです。
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不安定狭心症 (ふあんてい きょうしんしょう) |
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不安定狭心症とは、労作時狭心症の一種です。胸の痛みなどの発作が突発的、もしくは不定期に起こり、胸の痛みの強さもそのつど変化し、規則性がない狭心症です。
不安定狭心症は、冠動脈の内側にできた粥腫(じゅくしゅ)の表面が破れやすくなっていたり、すでに部分的に破れている状態です。
ですので、不安定狭心症では、粥腫が破れて中身が血液に触れることで、血栓(けっせん:血のかたまり)ができやすい状態なので、血栓が冠動脈をふさいでしまい、心筋梗塞になってしまう危険性があります。
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増悪性狭心症 (ぞうあくせい きょうしんしょう) |
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増悪性狭心症(増悪型狭心症)とは、発作の回数や胸の痛み強さ、持続時間などが急に悪化した労作時狭心症のことです。心筋梗塞の一歩手前の危険な状態です。
※次のページ「狭心症の種類A〜安静時狭心症」へ続く・・・・
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