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糖尿病による起こる代表的な症状は、「のどが異常に渇く」、「尿の量が多くなる」、「疲れやすい・だるい」、「しっかりと食べているのに体重が減る」、などです。
ただ、これらの症状は、自覚症状のない糖尿病の初期の段階からさらに進んで、血糖値が高い状態(高血糖の状態)がかなり続くことにより起こります。
糖尿病で自覚症状が現れるということは、高血糖の状態が 5〜10年という長い期間続いているということになります。
それではそれぞれの症状について見ていきましょう。
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尿の量が増える・のどが渇く |
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高血糖になると、腎臓が多量のブドウ糖を再吸収しきれなくなるので、尿と一緒にブドウ糖を排出するために、多くの水分を必要とします。
そのため、尿の量が多くなります。尿の量が多くなり、水分が体の外へと出てしまいます。尿の量が増えるので、トイレの回数が多くなります。
尿により大量の水分が排出されてしまうので、のどが異常に渇きます。そのためにやたらと水分を取るようになります。夜寝ていても、のどの渇きで起きてしまうほどです。
のどの渇きという症状は、糖尿病のもっとも代表的な症状です。のどが渇くので水分を大量に取り、そして尿の量が増えて水分を大量に排出してしまい、またのどが渇き大量の水分を取る、という状態になってしまいます。
尿にはブドウ糖が混じっているので、あまったるい臭いがします。このことが尿から糖が出る「糖尿病」という名前の由来となっています。
ただ、尿から糖が出ているからといって糖尿病であると決めつけることはできません。糖尿病でなくても腎臓に問題があれば糖が混じることはあります。(これを腎性糖尿といいます)。また、糖尿病でも尿から糖がでないこともあります。
尿から糖が出るのは糖尿病になった結果として起こりうる症状なので、尿に糖が混じる=糖尿病
ではありません。糖尿病は、「血液の中のブドウ糖の量が慢性的に多すぎてしまう病気(血糖値が慢性的に高くなってしまう病気)」なのです。
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疲れやすい・だるい |
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インスリンの作用が不足するために、ブドウ糖をうまくエネルギーとして利用できなくなるので、いつも疲れているように感じたり、全身がだるくて動きたくない、などの症状が現れます。
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普通に食べているのに体重が減ってくる |
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しっかり食事を取っているのに、体重がどんどんと減っていきます。また、食べても食べてもお腹がすきます。
糖尿病になると、食事により取り入れた糖質をエネルギーに変えることがうまくできなくなるので、すぐに空腹を感じてしまいます。
血液の中の糖質をエネルギーとしてうまく利用することができなくなると、かなりの量が尿の中にブドウ糖として排出されます。エネルギー(カロリー)に換算すると、約800〜1200kcal
ぐらいを排出していることになります。
ですから、排出した分のエネルギーを補うために、筋肉の中のタンパク質や脂肪をエネルギーとして使うので、体重が減ってしまうのです。
体重が急激に減る場合は、極度のインスリン不足である可能性が高いです。そのまま対処しないでおくと、昏睡(こんすい)の状態(糖尿病性昏睡)になってしまい大変危険です。
ちなみに昏睡とは、意識を消失して目覚めない状態で、とても危険な状態です。
それでは、次のページでは、糖尿病の合併症による症状について見ていきましょう。
※次のページ「糖尿病の症状B〜合併症による症状」へ続く・・・・
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