※前のページ「糖尿病の食事療法D〜食品交換表U」の続きです↓
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食事指示票とは? |
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食品交換表は、1日の適切な範囲内で献立を組み立てるのにとても便利です。
ただ、1日のカロリーから 1日の総単位を割り出し、それを 3食に配分するのに、どのようにするのか、という問題があります。
朝食・昼食・夕食、と 3食に配分するにしても、1食にかたよって単位を配分するのはよくありません。1食に多くのカロリーを取りすぎると、血糖値が急激にあがってしまうからです。
つまり、1日のカロリーの範囲内であるからといって、1食に多く食べるような配分はよくないので、バランスよく
3食に配分する必要がある、ということなのです。
さらに、食品交換表をつかって食品を選ぶときに、栄養のバランスをとるためにどのように食品を選んでいくかという問題もあります。
1日のカロリーを 3食分に分けて、その範囲内で食べれば何でも良いわけではありません。範囲内のカロリーでもお米ばっかりで食べて終わり、というかたよった配分では、カロリー制限は守れても栄養のバランスがとれません。
これらの問題を解決してくれるのが、「食事指示票(しょくじ しじ ひょう)」です。
食事指示票とは、医師により指示される 1日の食事の配分方法です。1日の総単位数や、3食の配分の仕方、どのように食品を選べばよいのか、などが、患者さんの好みや食習慣を考慮して指示されています。
この食事指示票による指示があることで、食品交換表で食品を選び、配分することがさらに簡単になります。1日の総カロリー数を守り、栄養のバランスもとれた献立を作ることができます。
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食事指示票の見方 |
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食事指示票は、下記の様なものです。これは、1日20単位(1600kcal)の場合の例です。
食品分類 |
表1 |
表2 |
表3 |
表4 |
表5 |
表6 |
調味料 |
食品の
種類 |
穀物、
いも類、
まめ類、他 |
果物 |
肉、魚
貝、卵
大豆、他 |
牛乳、
乳製品 |
油脂
多脂性
食品 |
野菜類
きのこ
海藻 |
砂糖、
みそ |
1日の
単位 |
11 |
1 |
4 |
1.5 |
1 |
1 |
0.5 |
朝食 |
3 |
1 |
1 |
1.5 |
1 |
0.3 |
0.5 |
昼食 |
4 |
1 |
0.3 |
夕食 |
4 |
2 |
0.4 |
間食 |
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「表1」の「1日の単位」を見ますと、「11」となっています。つまり、この食事指示票では、表1の食品は
1日に11単位(880kcal)までとってよい、ということになります。
そして、その 11単位が、「朝食 3単位」・「昼食 4単位」・「夕食 4単位」の
3つに配分されています。
朝食は 3単位ですから、ご飯、パン、いも類、などを 3単位=240kcal まで食べて良い、ということになります。
「表2」の果物は 1日で 1単位まで、「表4」の乳製品は 1日で 1.5単位までとることができます。どちらもとるタイミングは、朝・昼・夕・間食、のどのタイミングでもよいということになります。
「表5」油脂・多脂性食品と調味料は、1日の指示単位を料理に合わせて 3食に分けて使うようにします。
それでは、次のページでは、食事指示票と食品交換表からどのように献立を組み立てていくのかをわしく見ていきましょう。
※次のページ「糖尿病の食事療法F〜献立づくりの手順」へ続く・・・・
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