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食品を 6つのグループに分類する |
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食品交換表では、さまざまな食品を、同じような栄養素を含む食品別に 6つのグループに分類しています。
糖尿病の食事療法では、エネルギー制限(カロリー制限)だけでなく、栄養のバランスも考えなくてはいけませんが、どの食品にどのような栄養素がどれだけの割合含まれているのかは、よくわからないのが普通です。
ですから、同じような栄養素をもつ食品を大きく 6つのグループに分類することで、どの食品にはどの栄養素があるのかが簡単にわかります。
食品交換表では、グループを「表」と呼び、「表1」から「表6」まであります。
食品の種類と分類は下記の通りです。調味料は、6つのグループの他に 1つのグループとして分類されます。
▼主に糖質を含む食品
表1
(主食の仲間) |
ご飯、パン、めん類などの穀物、芋類、豆類(大豆とその製品は除く)、糖質の多い野菜や種実類 |
表2
(果物の仲間) |
りんご、バナナ、ぶどう、いちご、みかんなどの果実類 |
▼主にたんぱく質を含む食品
表3
(肉や魚の
仲間) |
畜肉類とその加工品、魚介類とその加工品、卵とその加工品、大豆とその製品、チーズ |
表4
(牛乳の仲間) |
牛乳などの乳類とその製品(チーズはのぞく) |
▼主に脂質を含む食品
表5
(油の仲間) |
油脂類、油が多く含まれている食品、生クリーム、豚バラ肉、ベーコン、ごまなど |
▼主にビタミン・ミネラルを含む食品
表6
(野菜の仲間) |
野菜類(糖質の多い一部の野菜は除く)、きのこ類、海藻類、こんにゃく |
調味料 |
砂糖、トマトケチャップ、みそ、みりん、など |
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80kcal(カロリー)を「1単位」とする |
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食品交換表では、カロリーを考えた献立を簡単に作れるように、80kcal を「1単位」としています。
そして、それぞれの食品に、何g で 1単位=80kcal になるのかが表されています。
ご飯は「50g=1単位」、食パン 6枚切りの 2分の1枚は「30g=1単位」、のように、食品
1単位 80kcal が何gなのかが示されています。
つまり、ご飯を 2単位とりたい場合は、1単位が50gなので倍の 100g 食べればよい、ということになります。
下記は、1単位=80kcal にあたる食品の分量の一例です。
▼ 1単位=80kcal にあたる食品の分量の一例
表1
(主食の仲間) |
・6枚切り食パン = 30g (約2分の1枚)
・ご飯 = 50g (小さい茶碗に半分ほど) ・ジャガイモ = 110g (中 1個) |
表2
(果物の仲間) |
りんご = 150g (中 3分の2ぐらい) バナナ = 100g (中 1本) みかん = 200g (中 3個) |
表3
(肉や魚の
仲間) |
とうふ(木綿) = 100g (3分の 1 丁) あじ = 60g (中 1尾) 牛もも肉(脂身なし) = 40g 鶏卵 = 50g(小
1個) |
表4
(牛乳の仲間) |
牛乳 = 120g プレーンヨーグルト = 120g |
表5
(油の仲間) |
植物油 = 10g (大さじ軽く 1杯) マヨネーズ = 10g (大さじ軽く 1杯) バター = 10g (大さじ
3分の2ぐらい) ベーコン = 20g |
表6
(野菜の仲間) |
色々な野菜を組み合わせて 300g
(糖質の多い野菜は除く) |
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同じ表で交換できる |
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食品交換表は、「食品を交換できる表」なのです。
つまり、「同じ表の中の食品であれば、単位数を同じにすることで交換することができる」というこのなのです。
同じ表にグループとされている食品は、同じカロリーで、同じような栄養素が同じぐらいの分量で含まれています。ですから、同じ表の中の食品であれば交換してもよいのです。
ご飯とパンは同じ表のグループです。ですから、「ご飯 1単位=50g」の代わりに「食パン 1単位=30g」にして食べても良いのです。
このように、同じ表のグループの中で食品を交換することで、さまざまな献立を組み立てることができます。おかずの品を交換してみたり、果物を交換してみたりすることで、1日のカロリー量を考えながらバリエーション豊かな献立が作れるようになるというわけです。
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食品交換表の注意 |
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食品交換表は、毎日の献立作りにとても便利なものですが、注意点もあります。
それは、どの表のグループに分類するのかを間違えてしまうという点です。
肉類はグループでいえば「表3」になりますが、豚バラ肉は脂肪が多いので「表5(油の仲間)」になります。これを間違うとカロリーは同じでも脂肪を取りすぎてしまうことになってしまいます。
これらの注意点は食品交換表をしっかり読めばわかりますので、十分注意してください。
それでは次のページでは、食事指示票について見ていきましょう。
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