※前のページ「糖尿病の食事療法A〜一日の摂取カロリー」の続きです↓
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食事療法と栄養のバランス |
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糖尿病の食事療法では、1日の食事のエネルギーを制限するだけでなく、栄養のバランスのとれた食事をすることも大切です。
栄養のバランスとは、3大栄養素と呼ばれる、「糖質」、「たんぱく質」、「脂質」、を適切な配分でとるということです。
一般的には、1日の総エネルギー量の 「50〜60%を糖質」、「15〜20%をたんぱく質」、「20〜25%を脂質」から取るのが望ましいとされています。
また、栄養のバランスのある食事は、3大栄養素のことだけでは不十分です。
つまり、糖質・脂質・たんぱく質、のバランスだけでなく、他の栄養素である、「ビタミン」、「ミネラル」、の補給も欠かしてはいけません。
ビタミンやミネラルは食事制限すると不足しがちになるので注意が必要です。
また、栄養ではありませんが、「食物繊維」も大切です。
食物繊維は、腸で栄養素が吸収される時間を遅くしてくれるので、血糖値の上昇をおだやかにしてくれます。また、コレステロールを体の外に排出してくれるので、動脈硬化の予防にもなります。
食物繊維は、野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、などに多く含まれていますので、これらの食品を
1日の摂取エネルギーの範囲内で積極的にとるようにしましょう。
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糖尿病で控えたい食品 |
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糖尿病では、食事療法により 1日のエネルギーを制限(カロリー制限)していきますが、「これは食べてはいけない」という食品はありません。
ただ、「これは控えた方がよい」という食品はあります。
それは、「砂糖」です。
砂糖は、消化吸収が速いので、血糖値が急激に上がりやすいのです。
ご飯やパンにも「糖質」がふくまれていますが、これは「砂糖」とは少し違います。ご飯などに含まれている糖質はでんぷんで、ブドウ糖に変えられて吸収されるまでに時間がかかります。
また、ご飯には糖質だけでなく、ビタミン・カルシウムなどの栄養素が含まれていますが、砂糖には他の栄養素がほぼ含まれていません。
ですから、砂糖は取りすぎないように注意が必要です。砂糖はお菓子やジュースなどにも含まれていますので、気をつけましょう。
また、合併症を予防するために、なるべく控えた方が良い食品もあります。
それは、「塩分」と「コレステロール・飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)」です。
塩分は取りすぎると「高血圧」の原因になります。塩分は 1日に約7g以下に制限しましょう。塩分は、調理の時に使う分だけでなく、塩分が含まれる加工品(佃煮・練り物、など)やたらこ・干物・漬け物にも注意しましょう。
「コレステロール・飽和脂肪酸」は動物性脂肪などに多く含まれます。これらの取りすぎは、血液の中の脂質を増やしてしまい、動脈硬化が発生する危険を高めてしまいます。ですから、いか・レバー・アワビなどのコレステロールの多い食品や、肉の脂身・バターなどの動物性脂肪は控えましょう。
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食事療法とお酒(飲酒) |
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糖尿病の方で、お酒が大好きな方もいらっしゃると思います。
糖尿病の食事療法では、お酒は絶対にダメ、というわけではありませんが、基本的には「禁酒」することがベストです。
アルコールは、エネルギーが 1gに 7kcal もあるのに、栄養素がほとんど含まれていないため、1日の摂取エネルギーの中にアルコールの分を入れてしまうと、栄養のバランスのある食事をすることが難しくなってしまうのです。
お酒はつまみが進みやすくなるので、食べすぎてしまう危険もあります。
ですから、お酒は適度に、できれば禁酒をしましょう。どうしてもお酒を飲みたい場合は、医師にどれぐらい飲んでいいのかを相談しましょう。
それでは次のページでは、糖尿病の食事療法のテキストともいえる「食品交換表」について見ていきましょう。
※次のページ「糖尿病の食事療法C〜食品交換表T」へ続く・・・・
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