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食事療法と1日の食事のエネルギー(カロリー) |
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糖尿病の食事療法では、「1日の食事のエネルギー量(カロリー量)を適切な量にする」ことが重要となります。
多くのエネルギー(カロリー)を取りすぎてしまうと、糖代謝(とうたいしゃ)に負担がかかってしまいます。また、肥満しているとインスリンの働きを悪くしてしまいます。
ですから、糖尿病の方は 1日のエネルギー量(カロリー量)を必要最小限して、スムーズな糖代謝になるようにします。肥満している人は肥満を解消して標準体重にまで減量していきます。
人間は本来、必要最小限のエネルギーで最大限の効果が出せるように調整されています。ですから必要最小限のエネルギーの食事にしておけば、糖尿病の改善はもちろん、健康もちゃんと維持できます。
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適正エネルギー量(指示エネルギー) |
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1日の必要最小限の食事のエネルギー量(カロリー量)のことを、「適正エネルギー量(てきせい えねるぎー りょう)」といいます。
糖尿病の人は、1日の食事のエネルギー(カロリー)を、適正エネルギー量にまで抑えていきます。
適正エネルギー量は、計算式により算出することができます。
適正エネルギー量は、年齢、身長、体重、そして毎日の活動量などにより違いがでます。同じ体格でも、肉体労働をしている人と、デスクワークをしている人では消費するエネルギーは違うわけですから、
1日に必要なエネルギーにも違いがでてきます。
ですから、適正エネルギーを計算するにも、その人の身長にあった標準体重を計算して、それに活動量も考慮して算出します。
計算により算出された適正エネルギー量は、さらに患者さんの治療経過や活動量の変化などに合わせて医師により修正されます。
この、医師により、適正エネルギー量を患者さんに合わせて修正したものを「指示エネルギー(しじ えねるぎー)」といいます。医師により指示される 1日の適正エネルギー量なので、患者さんはこのエネルギー量を守って食事療法を行っていきます。
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適正エネルギー量の計算式 |
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適正エネルギー量の計算方法は、下記の計算式にて算出することができます。
ただし、適正エネルギー量は、生活での活動の変化、治療経過などによって修正が必要ですので、最終的には医師の判断が必要です。計算式で出た答えは、あくまでも目安としてください。
まずは標準体重を計算します。身長と身長をかけて、さらに「22」をかけて下さい。身長の単位は「メートル」なので、170cmの人は「1.7」となります。
・標準体重(kg) = 身長(m)×身長(m)×22
標準体重が算出できましたら、次は適正エネルギー量の計算です。さきほど算出した標準体重に「体重
1kgあたりの必要なエネルギー」をかけます。「体重 1kgあたりの必要なエネルギー」は下記の「運動強度と必要エネルギー」の表を参考にしてください。(主婦の方は、運動強度は「軽い」にあたるので、「体重
1kgあたりの必要なエネルギー」は「25」となります。
・適正エネルギー量 =
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標準体重(kg) |
× |
体重
1kgあたりの
必要なエネルギー(kcal) |
運動強度 |
必要エネルギー |
解説 |
軽い |
25kcal |
主婦・事務職など 部屋中心の生活 |
普通 |
30kcal |
特に重労働を
していない人、
セールスマン、
販売員など、 |
重い |
40kcal |
重労働をしている人。
肉体労働者、
運動選手など |
それでは次のページでは、糖尿病の食事療法と栄養について見ていきましょう。
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