※前のページ「糖尿病の検査と診断E〜状態を調べる検査U」の続きです↓
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尿ケトン体検査 |
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尿ケトン体検査とは、尿の中に「ケトン体」があるかどうかを調べる検査です。ケトン体が尿の中にあると、インスリンの作用不足であるということになります。
その理由は、インスリンの作用不足によりブドウ糖をエネルギーとして利用できないと、体の脂肪をエネルギーとして利用しようとします。
ケトン体とは、脂肪がエネルギーとして利用するために分解されるとき、廃棄物として発生する物質で、血液の中にケトン体がたまると尿から排出されるので、ケトン体が尿に混じるということは、インスリンの作用不足によりブドウ糖をエネルギーとして利用できない状態であるということになります。
尿ケトン体検査を行うことで、糖尿病の状態や進行程度、血糖コントロールの状態などを知ることができます。高血糖であっても、ケトン体が検出された場合のほうが体内のインスリンがより不足しているということなので、重症であると判断できます。
尿ケトン体検査は、市販の「ケトスティックス」という試験紙により自分で調べることができます。試験紙を尿につけて、試験紙の色の変化によって判定できる手軽なものです。
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抗GAD抗体値測定検査 |
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抗GAD抗体値測定検査とは、早い段階で 1型糖尿病であると診断したり、1型糖尿病の発病を事前に発見したり、インスリンの分泌能力の低下を予測することができる検査です。
血液の中に、抗GAD抗体がある、つまり検査結果が陽性である場合は、1型糖尿病である疑いがあるとされます。
抗GAD抗体とは、自己抗体の一つです。私達の体の免疫機能は、体内に異物が入ってくるとそれに対する抗体を作り、攻撃し破壊します。
しかし、自分の細胞を異物と認識して、それに対する抗体ができてしまうと、自分の細胞に対する抗体である自己抗体ができてしまい、自分の細胞を攻撃してしまいます。これを「自己免疫反応」といいます。
1型糖尿病の原因の 1つとして、この自己免疫反応が考えられています。インスリンを作りだす膵臓のランゲルハンス島のβ細胞(べーたさいぼう)を、免疫機能が異物と判断して間違えて攻撃し、破壊してしまうことで起こるとされています。
それでは次のページでは、糖尿病の合併症をしらべるための検査について見ていきましょう。
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