※前のページ「脳卒中の症状・後遺症C〜神経症状U」の続きです↓
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感覚障害 (かんか くしょうがい) |
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脳卒中による感覚障害とは、体の半身の感覚が鈍くなったり、しびれや痛みなど、感覚に関する症状が突然起こります。しびれや痛みは、なかなか治りにくい後遺症です。
感覚に関係する神経は、運動に関係する神経とほとんど同じ経路を通っているので、麻痺(マヒ)などの運動障害が起こると、感覚障害も同時に起こることが多くなります。
ですから、ほとんどの場合、感覚障害は片麻痺と同じ側に起こります。
また、脳の梗塞(こうそく)した場所や出血した場所によっては、麻痺は起こらず、しびれだけが後遺症として残ることもあります。
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視野障害 (しや しょうがい) |
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脳卒中による視野障害とは、視野が狭くなる、視野の半分が見えない「半盲(はんもう)」、などの状態です。
「半盲」という症状は脳梗塞が発症するとよく見られます。半盲とは、片目、もしくは両目で見ても視野の左右どちらかの半分(または4分の1)しか見えなくなってしまいます。
さらに、視力の低下や、物が二重に見える「複視(ふくし)」などが起こることもあります。
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排泄障害(はいせつ
しょうがい) |
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脳卒中により排尿をコントロールしている脳の部分(大脳・脳幹)が損傷を受けると起こることがあります。
排泄障害として起こる症状は、尿の回数が多くなる「頻尿(ひんにょう)」、尿をもらしてしまう「尿失禁(にょうしっきん)」、尿意を感じない、尿が出ない、などがあります。
「頻尿」は、おしっこをする間隔が短くなり、すぐに尿意を感じるようになるもので、脳梗塞にはよくみられる症状です。
また、頻尿になることで、トイレまで我慢できずもらしてしまう「尿失禁」が起こることもあります。
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嚥下障害(えんげ
しょうがい) |
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嚥下障害(えんげ しょうがい)とは、食べ物や飲み物を上手くの飲み込めなくなる状態のことです。つばもうまく飲み込めないので、よだれがたれたりします。
脳卒中の後遺症としての嚥下障害は、飲み込むなどの運動を支配している神経に障害が起こると発症します。急性期脳卒中の半分以上の患者さんに見られると言われています。ただ、意識が正常に回復してくると嚥下障害も大半は回復しますが、後遺症として残ってしまうこともあります。
嚥下障害は脳梗塞によりよく見られる症状・後遺症です。
また、食べ物や飲み物が気管に入りやすくなってしまうことで、唾液(だえき)や胃液と共に細菌が肺に流れ込んで生じる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が起こりやすくなります。
誤嚥性肺炎は、高齢者の脳卒中での死亡原因の 1位となる危険なものなので、注意が必要です。
それでは次のページでは、脳卒中の症状・後遺症の「高次脳機能障害」についてもう少しくわしくみていきましょう。
※次のページ「脳卒中の症状・後遺症E〜高次脳機能障害T」へ続く・・・・
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