脳梗塞の診断と検査は、まず救急で運ばれた場合は最初に、バイタルサイン(体温、呼吸数、脈拍、血圧など)を測定します。そして気道を確保し、患者さんの状態によっては酸素投与なども行います。
次は問診です。問診とは患者さんに症状についてや普段の生活について医師が質問します。
ただ、脳梗塞の場合、患者さんの意識が無い場合もあるので、そのときは家族や付き添いの人へ患者さんの状態についての質問をされます。
そして、全身の状態を調べるために「視診(ししん)」、「触診(しょくしん)」、「聴診(ちょうしん)」なども行います。聴診では心臓の拍動(はくどう)の状態や呼吸音に異常がないか調べます。
さらに、神経学的検査や一般的な検査を行い、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)であるかどうかを診断します。
|
神経学的検査 |
|
|
神経学的検査は、まず意識の状態を見て、異常がある場合は、意識障害の程度を診断します。
そして、麻痺(まひ)があるかどうかや、麻痺の場所などを調べます。患者さんの意識がある場合は、手や指、足の動きや目の動きや反応も調べます。言語障害があるときは、発音の状態や舌の動きなどを調べます。
神経学的検査により、脳梗塞が発生している脳の場所を特定したり、今後の治療やリハビリテーションの方向が決まります。
|
一般的な検査 |
|
|
一般的な検査は、血液検査、心電図検査、尿検査、胸部X線検査、超音波検査、などです。
血液検査では、血液を採取して、血糖、脂質、肝臓(かんぞう)の機能、腎臓(じんぞう)の機能、などを調べます。また、血液の中の酸素や炭酸ガスの濃度を調べて、呼吸の状態も調べます。
脳梗塞は心臓病を原因として起こる「心原性脳梗塞症(しんげんせい のうこうそくしょう)」があるので、心電図検査により心臓に異常や不整脈がないかどうかを調べます。
他にも必要に応じて、血液の固まりやすさを調べたり、心臓の超音波検査の「心エコー」で心臓に血栓(けっせん:血液のかたまり)があるかどうかを調べます。
脳梗塞の症状は、他の病気でも起こることがあるので、症状だけをみて脳梗塞であると診断することはできません。
ですから、検査を行って、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)であるかどうかを調べ、脳卒中である可能性が高いとされたら、今度は「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」、のどれが起こっているのかを調べる検査を行います。
※次のページへ「脳梗塞の検査と診断A〜CT検査・MRI検査」続く・・・・ |