脳梗塞の治療は、急性期では、動脈硬化や血栓(けっせん)により詰まってしまったことで止まっている血流を回復させることが中心となります。
脳梗塞の「急性期」とは、脳梗塞が発症してから 1〜2週間までのことを言い、その間に行う治療を急性期治療といいます。脳梗塞では、この急性期治療がとても重要です。
また、脳梗塞が発症してから3時間〜6時間ぐらいまでは「超急性期」とも呼ばれます。
血管が詰まってしまい血流が途絶えているということは、その血管から酸素や栄養を得ている脳細胞は壊死(えし)してしまいます。そして、血流が途絶えたままにしておくと、脳細胞の壊死はどんどんと広がってしまいます。
死んだ脳細胞はまた生き返ることはないので、なるべく早く血流を回復して、壊死の広がりをおさえなければなりません。
ただ、脳細胞は血流が途絶えるとすぐに死んでしまうわけではありません。血流が止まってからしばらくの間は、脳細胞の機能は止まっているが死んではいない状態になります。
機能は停止しているが死んでいない脳細胞のことを「ペナンブラ」といいます。
このペナンブラの状態の脳細胞をいかに救えるかが急性期脳梗塞の治療の大切なところです。なるべく早く適切な治療を行うことで、ペナンブラを多く助けることができ、後遺症を軽くすることができます。
急性期脳梗塞の治療では、「薬物療法」が行われます。
薬物療法は、「抗血栓療法(こう けっせん りょうほう)」を中心に、「抗浮腫療法(こう ふしゅ りょうほう)」、「脳保護療法(のう ほご りょうほう)」、などの方法があります。
そして、抗血栓療法には、「血栓溶解療法(けっせん ようかい りょうほう)」、「抗血小板療法(こう けっしょうばん りょうほう)」、「抗凝固療法(こう ぎょうこ りょうほう)」、があります。
これらの治療法が、脳梗塞の種類に合わせて行われます。
それでは、次のページでは、各治療法について見ていきましょう。
※次のページ「脳梗塞の治療A〜抗血栓療法T」へ続く・・・・
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