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重傷度の判定基準 |
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くも膜下出血の手術は、動脈瘤の再破裂を防ぐために行われます。
手術こなえるかどうかは、患者さんがどれだけ重症なのかによって決められます。
重傷度とは、クモ膜下出血がどれだけ進行してどのような症状が出ているかで決定されるもので、0〜Xの
6段階があり、Xがいちばん重症です。。
手術を行うのは、くも膜下出血の重傷度が T〜Wまでの患者さんに対してです。Xまで重症な場合は、一般的には3週間目以降の慢性期に開頭手術を行いますが、早い段階で血管内治療を行うこともあります。
▼くも膜下出血の重傷度の判定基準(HuntとKosnik) |
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重傷度 |
症状 |
0 |
非破裂動脈瘤 |
T |
無症状、または軽い頭痛や項部硬直(うなじ・首の部分の硬直)がある状態。
Ta : |
意識がはっきりしていて、急性期の症状が無く、神経症状が固定している状態。 |
(手術後の生存率:約90〜100%) |
U |
意識がはっきりしていて、中等度・強度の頭痛、項部硬直はあるが、脳神経麻痺(マヒ)以外の神経症状がない状態。
(手術後の生存率:約90%) |
V |
意識状態は傾眠(けいみん:放置しておくと眠り込んでしまうが、叩いたり声を掛けたりすることで目を覚ます状態)、錯乱、軽度の片麻痺などの局所神経障害を持つことがある状態。
(手術後の生存率:約80%) |
W |
意識状態は昏迷、中等度から強度の片麻痺(かたまひ)、ときに早期の徐脳硬直(四肢の伸展など)、自律神経症状の初期症状のある状態。
(手術後の生存率:約50%) |
X |
意識状態は昏睡、徐脳硬直、瀕死の状態.。
(手術後の生存率:約20%) |
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開頭手術と血管内治療 |
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くも膜下出血の原因となる動脈瘤への手術は、頭を切り開いておこなう「開頭手術」と、頭を切り開くことなく治療する「血管内治療」があります。
開頭手術の方が、血管内手術にくらべて患者さんへの負担が大きい手術なのですが、ほとんどの場合が、開頭手術を行います。
開頭手術は、「クリッピング手術」、「トラッピング手術」、「コーティング手術」がありますが、その中でもよく行われるのはクリッピング手術です。
それでは、次のページでは、クモ膜下出血の開頭手術、血管内治療についてくわしく見ていきましょう。
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