卵巣がんの検査

	検査のむずかしい卵巣がん

　卵巣は子宮と一緒にお腹の中にありますが、卵巣は外部と接触していないので、検査器具を挿入して調べることができません。

　また、腹部から針を刺して、患部の細胞を採取して調べる検査も、針を刺すことで卵巣のがんの被膜を破ってがんがお腹の中にひろがってしまう可能性があるので行うことができません。

　ですから、一般的には卵巣がんの検査は、お腹を切り開く「開腹手術」によって組織を採取して検査します。

　つまり卵巣がんでは、がんであるかを調べるための一般的な検査ができないので、診断がとてもむずかしいといえます。

　開腹により組織を採取して検査する前に行われる卵巣がんの検査があります。それらの検査を見ていきましょう。

	卵巣がんの検査

　卵巣がんの検査は、まず膣（ちつ）や肛門から指をいれて卵巣がはれているかどうかをしらべる「直腸診」を行います。

　卵巣がはれている場合は、さらに「CT」や「MRI」、「超音波断層検査」などの体中の様子を画像撮影することができる機械で画像検査をして、卵巣の大きさや、腫瘍がある場合はそれが良性が悪性か、また腹水があるか、などを調べます。

　また、腫瘍マーカー（しゅようまーかー）と呼ばれる、血液を採取してがんがあるかどうかを調べる検査もあります。血液の中に少し存在する「CA125」という糖タンパクを測定することで、良性か、悪性かの判断をする助けになります。

　しかし、卵巣がんでの腫瘍マーカー（CA125）は、早期の卵巣がんでは判定しずらいので、あまり役立ちません。

　上記した様々な卵巣がんの検査は、ある程度まで卵巣がんがあるかどうかの判定のために役立ちますが、100％確定できるわけではありません。最終的には、腫瘍を開腹手術で取り出して、それをしっかり検査することで、確定診断することができます。