肝臓ガンには、「原発性肝臓がん」と「転移性肝臓がん」があります。
原発性肝臓がんと転移性肝臓がんについては「肝臓ガンとは?」のページの「肝臓がんの種類」をみていただくとして、ここでは肝臓がんの原発性肝臓がんの転移について見ていきたいと思います。
肝臓からがんが発生する「原発性肝臓がん」では、がんは肝臓内の門脈(もんみゃく)の血流にのって転移していきます。
※門脈とは、胃、小腸、大腸、胆のう(たんのう)、膵臓(すいぞう)、脾臓(ひぞう)などからの静脈が集まった血管のことです。それらの様々な臓器から門脈へ集まった血液は肝臓を通って心臓へ戻されます。
正常な肝臓では、この門脈血に含まれる毒素の代謝、細菌の処理、消化吸収物の代謝、などを行う働きがあります。
肝臓から門脈にのって他の臓器へ転移したがんは、そこで小さな転移巣をつくって、さらに遠くの門脈の枝へ転移します。そして、体の様々な部分へと転移していきます。
肝臓がんは、肺への転移が最も多くて、その次に骨、副腎、腹膜、胃、腎臓、脳、脾臓(ひぞう)などがあります。
進行したがんでは、門脈の中に腫瘍細胞のかたまりである腫瘍塞栓(しゅようそくせん)ができて、静脈を詰まらせることもあります。
肝臓がんでのリンパ節転移は、がんがかなり進行しないと起こることはありません。
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