喉頭がん(こうとうがん)の治療により、発声の機能を失ってしまった場合は、食道を利用して発声する方法や、道具を使って発声する方法などがあります。
それでは、各発声方法について見ていきましょう。
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食道発声法 |
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食道発声法とは、食道や胃に飲み込んだ空気を吐き出し、食道の入り口の部分や下咽頭粘膜(かいんとうねんまく)という部分を振動させることで発声する方法です。自分だけででできるようになることは難しいので、全国の発声教室で練習をします。
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人工喉頭発声法 (じんこう こうとう はっせいほう) |
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人工喉頭発声法とは、道具を使うことで発声する方法です。「笛式人工喉頭」と「電気人工喉頭」があります。
笛式人工喉頭(パイプ式の人工喉頭)とは、首にある気管の開口部(永久気管孔:えいきゅう きかんこう)に管状の器具の一端(あて皿)をあてます。気管の開口部から吐き出される空気は管状の器具の中へ入り、器具の笛の部分におくられます。笛の部分にはゴムで出来た膜があるので、この膜が振動します。振動した空気は管を通り、口にくわえられたもう一端から出てきて、言葉がつくられます。
この方法は練習することなく発生することができますが、はっきりとした発声はできず、器具を携帯する必要があります。
電機人工喉頭とは、、ブザー音が出る電池式のバイブレーター(電機喉頭)を使って発声する方法です。これは、小型のマイクのような形をしている器具で、首ののどのあたりの皮膚にあてて、電気で振動させながら発声どおりに口を動かすことで声を出します。
他の人に聞いてもらいながら、自分で練習して習得することができるという良い点がありますが、言葉が少しはっきりしないことや、ブザー音がうるさいなどの欠点もあります。
ただ、喉頭を手術により作る方法も研究・進歩してきているので、今後は器具などを使わず話ができるようになっていくことが期待できます。
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