※前のページ「心筋梗塞の原因@」の続きです↓
心筋梗塞の直接の原因は「動脈硬化である」ということは、前のページ「心筋梗塞の原因@」で解説しました。
動脈硬化の原因は、加齢や、喫煙・食生活などの生活習慣などです。
また、「高血圧」、「糖尿病」、「高脂血症(こうしけつしょう)」、「肥満」、などの他の病気により動脈硬化が引き起こされることもあります。
それでは、これらの病気と動脈硬化について見ていきましょう。
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高血圧と動脈硬化 |
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高血圧とは、血液が心臓から押し出されるときに血管(動脈)にかかる圧力のことです。
血管が強い圧力を長い間受け続けることで、血管が傷ついて弾力がなくなり、硬くもろくなります。
また強い圧力により傷ついた血管の内側の壁に脂肪やコレステロールなどの血液の成分がたまって粥腫(じゅくしゅ)ができやすくなり、動脈硬化が起こりやすい状態になります。
高血圧についてくわしくは、「高血圧」のページをごらんください。
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糖尿病と動脈硬化 |
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糖尿病とは、血液の中のブドウ糖が常に高い状態になってしまう病気です。
血液の中のブドウ糖は食事などにより増えて、さらにそのブドウ糖をエネルギーとして吸収するために「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンの働きにより、ブドウ糖は細胞や筋肉に吸収され、血液の中のブドウ糖は減って血糖値(けっとうち)が下がります。
ただ、食べ過ぎなどで血液の中のブドウ糖が増えすぎると、さらに多くのインスリンが必要となるので、膵臓(すいぞう)から多くのインスリンが分泌されます。
ただ、この状態が長く続くと、膵臓が疲れてしまい、インスリンの分泌量が減ってしまいます。
インスリンの分泌量が減ると、血液の中のブドウ糖が常に高い状態、つまり血糖値が高い状態が慢性的に続くようになってしまいます。
血糖値が高い状態の血液は、糖がたんぱく質と結びつく異常な現象を起こします。血管はたんぱく質でできているので、その作用によって血管の内側の細胞が傷つけられてしまい、動脈硬化が起こるのです。
糖尿病についてくわしくは、「糖尿病」のページをご覧下さい。
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高脂血症と動脈硬化 |
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高脂血症(こうしけつしょう)とは、血液の中のコレステロールや中性脂肪などの「脂質」が異常に増えた状態のことです。
コレステロールや中性脂肪は、色々な種類のリポタンパクになって血液の中を運ばれています。リポタンパクとは、脂質がリン脂質に包まれた状態のことで、水に溶けにくい脂質が血液の中に溶けやすくなるための状態のことです。
リポタンパクは、たんぱく質と脂質の、大きさ、割合、比重、などにより大まかに、「カイロミクロン」、「VLDL」、「LDL」、「HDL」、の4つに分類されます。このうち悪玉コレステロールとされているのが低比重リポタンパクの「LDL」と「VLDL」、善玉コレステロールとされているのが高比重リポタンパクの「HDL」です。
LDLは全身へコレステロールを運ぶ働きがあるのですが、LDLが増えすぎてしまうと、HDLが不必要のLDLを回収して肝臓に戻します。また、HDLは血管の壁にたまったコレステロールを回収する働きもあるので、動脈硬化にならないように作用してくれます。
ただ、LDLが増えすぎてしまうと、HDLがLDLを回収しきれなくなってしまいます。増えすぎたLDLは血液の中に長期間とどまることになり、そのうちLDLが変性して血管の壁にくっついて、動脈硬化を起こしてしまいます。
高脂血症についてくわしくは「高脂血症」のページをご覧下さい。
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肥満と動脈硬化 |
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肥満していると、高血圧、糖尿病、高脂血症になりやすくなります。
また、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、のうち複数を合わせ持った状態をメタボリックシンドロームといいます。
肥満とメタボリックシンドロームについてくわしくは、「肥満」のページをごらんください。
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