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心拍動下冠動脈バイパス術 |
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心拍動下冠動脈バイパス術(しんぱく どうか かんどうみゃく ばいぱすじゅつ)とは、バイパス手術を心臓を停止させずに行う手術方法です。
冠動脈バイパス術は、以前では一時的に心臓を止めて、人工心肺(じんこうしんぱい)という装置を使って手術を行っていました。
ただ、心臓を停止させると患者さんの体には大きな負担がかかるので、心臓を止めることなく心臓を固定して手術を行う「心拍動下冠動脈バイパス術」が主流となっています。
人工心肺を使用しないことで、人工心肺による副作用を回避することができます。さらに、人工心肺を使用できないぐらい動脈硬化が進んでしまっている人にも手術が行えます。
心拍動下冠動脈バイパス術には、胸の切り開き方により2つの方法があります。
1つは、「OPCAB(オップキャップ)」と呼ばれる方法で、胸を切り開き、胸骨(きょうこつ)を縦に15〜20cmぐらい切って、心臓全体が見えるようにして行う方法です。この方法はバイパス手術で行われる一般的な方法です。
もう1つは、「MIDCAB(ミッドキャップ)」と呼ばれる方法で、胸の肋骨(ろっこつ)と胸骨(きょうこつ)の間を少しだけ切り開いて行うバイパス手術です。切り開く範囲が狭いので、患者さんへの負担は少ないのですが、バイパス出来る血管に限界があります。
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