糖尿病と感染症

- 糖尿病と感染症の症状・治療・予防について解説。

糖尿病感染症

高齢者の生活習慣病
 当サイトでは、様々な生活習慣病の中でも高齢者に見られる病気を中心に解説紹介しています。
 このページでは、糖尿病(とうにょうびょう)について解説しています。糖尿病は誰でもなりうる病気ですが、特に中年から高齢になると注意したい病気です。そして、糖尿病はとても危険な病気の発症につながる可能性があります。ですから糖尿病について理解して、糖尿病の症状・原因・治療・検査やさらに気になる色々な情報などから、糖尿病を早期発見・予防できるようにしましょう!
 糖尿病について知りたい方のために当サイトが少しでもお役にたてると幸いです。
高齢者の生活習慣病
トップページ
糖尿病 一覧へ 糖尿病と合併症H〜感染症
     糖尿病と合併症H〜感染症


※前のページ「糖尿病と合併症G〜動脈硬化


糖尿病と感染症

 私たちは、血液の中にある白血球の働きにより細菌やウイルスが殺されるため、細菌による感染を防ぐようになっています。

 ただ、高血糖になると白血球の働きが弱くなってしまうので、細菌に感染して、「感染症」になりやすくなってしまいます。

 また、糖尿病による血管障害により血流が悪くなると、体内の組織に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなるので細胞の働きが低下してしまいます。白血球も病変のあるところへ到達しにくくなるので、回復しずらくなってしまいます。

 さらに、感染症になるとインスリンの働きをくい止めてしまうホルモンが分泌されるので、また高血糖が進んでしまい、糖尿病も感染症も悪化していってしまうという悪循環になってしまうのです。

 糖尿病性神経障害がある場合は、感染症による症状に気づきずらくなるので、治療が遅れてしまうこともあり、注意が必要です。


▼糖尿病でよく見られる感染症
呼吸器系の感染症 -
 かぜ、肺炎、気管支炎、結核、など
皮膚感染症 -
 白癬症(はくせんしょう)、カンジダ症、など
尿路感染症(にょうろかんせんしょう) -
 膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂炎(じんうえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)、など
口腔内感染症(こうくうない かんせんしょう) -
 歯周病、虫歯、など
胆嚢炎(たんのうえん) -
 ※胆石を持っている人に起こりやすくなる


 糖尿病の人によく見られる感染症といっても、上記の様々なものがあるのですが、糖尿病の人が特に注意してほしいのが、「皮膚感染症(ひふ かんせんしょう)」、「口腔内感染症(こうくうない かんせんしょう)」、「尿路感染症(にょうろ かんせんしょう)」などです。



糖尿病と皮膚感染症

 糖尿病の人によく見られる皮膚感染症は、「真菌症(しんきんしょう)」と「細菌感染症」の 2つに分けられます。

 真菌症とは、カビの一種である真菌により発症するもので、「カンジダ症」や「白癬症(はくせんしょう)」があります。この2つは、糖尿病の人の 2〜3割ぐらいの人に起こるとされています。

 カンジダ症とは、カンジダと呼ばれるカビの一種によって起こります。カンジダは、口、膣(ちつ)の中、消化管に常に存在する細菌ですが、体の抵抗力が弱くなると増えてしまい、わきの下、爪の周り、女性の外陰部などに激しいかゆみを起こします。

 白癬症とは、水虫、たむし、などがあり、足や手の指、足のうら、おしり、などに発症しやすいです。特に水虫は、治療しないでおくと二次感染を起こして、腐ってしまう「壊疽(えそ)」にまで進んでしまうことがあります。



糖尿病と口腔内感染症

 口腔内感染症(こうくうない かんせんしょう)とは、歯の表面の細菌が、歯や歯茎(はぐき)に炎症を起こすものです。

 糖尿病の人は口腔内の血管障害、コラーゲン代謝の低下などのために、虫歯、歯肉炎、歯周病になりやすくなります。

 症状は、歯の痛み、歯茎のはれ・出血、口臭、などです。



糖尿病と尿路感染症

 尿路感染症(にょうろ かんせんしょう)とは、尿のが作られ排泄されるまでの道筋、つまり腎臓から尿管をへて、膀胱、尿道までの「尿路」に細菌が感染することで起こるものです。

 尿路感染症としては、膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂炎(じんうえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)、などがあります。

 膀胱炎とは、膀胱の炎症で、排尿の回数が増える、排尿の時に痛みを感じる、などの症状があらわれます。膀胱炎を放置すると、腎盂炎、腎盂腎炎になってしまいます。

 腎盂炎とは、腎臓から尿管に入る手前の場所で起こる病気です。また、腎盂腎炎は、尿を集める尿細管や尿をつくる糸球体(しきゅうたい)で起こる病気です。

 腎盂炎や腎盂腎炎が起こると、ふるえ、腰痛、発熱、などの症状が現れます。慢性化すると症状が出なくなる場合もあります。

 尿路感染症の治療は、尿の検査による早期発見が重要です。

 膀胱炎の検査は、尿の中の白血球の数を調べる検査である「尿沈渣(にょうちんさ)」を行います。白血球の数が多い場合は、膀胱炎の可能性があります。

 腎盂炎や腎盂腎炎の検査は、尿の細菌検査を行います。

 検査により病気であると診断されたら、抗生物質により治療を行っていきます。



糖尿病と感染症の治療・予防

 糖尿病の人が感染症にならないようにするためには、血糖コントロールをしっかりとおこなっていくことが大切です。

 血糖コントロールを行っていくことで、体の免疫システムがちゃんと働くようにして、抵抗力を貯めるくことができます。

 また、睡眠をしっかりとる、ストレスを解消する、などの生活習慣にも注意が必要です。

 感染症になってしまったら、すぐに病院で治療を受けます。基本は、体の抵抗力を高めて、血糖値を下げていきます。必要に応じて、検査や薬での治療も行っていきます。



 それでは次のページでは、糖尿病の合併症である白内障・緑内障について見ていきましょう。

※次のページ「糖尿病と合併症I〜白内障・緑内障」へ続く・・・・





次のページ「糖尿病と合併症I〜白内障・緑内障
前のページ「糖尿病と合併症G〜動脈硬化」へ

糖尿病 一覧へ

高齢者の生活習慣病 トップページへ


高齢者の生活習慣病
動脈硬化
高血圧
高脂血症
糖尿病
肥満
メタボリックシンドローム

脳卒中
脳卒中
脳梗塞
脳出血
くも膜下出血

心筋梗塞・狭心症
心筋梗塞
狭心症

がん(癌)
がんの知識T基礎
がんの知識U治療
がんの知識Vその他
種類別のがん
肺がん
胃がん
大腸がん
肝臓がん
すい臓がん・胆道がん
食道がん
悪性リンパ腫
白血病・多発性骨髄腫
膀胱・腎臓・副腎がん
咽頭がん・喉頭がん
口腔がん(舌・歯肉がん)
脳腫瘍・甲状腺がん
皮膚がん
骨肉腫・軟部肉腫
種類別 女性のがん
子宮がん・絨毛がん
乳がん
卵巣がん・膣・外陰がん
種類別 男性のがん
前立腺がん・精巣がん
Copyright (C) 高齢者の生活習慣病 All Rights Reserved