がんは、発生する体の場所によって「がん腫(がんしゅ)」と「肉腫(にくしゅ)」の 2つに大きく分けられています。
それでは、この 2つについて見ていきましょう。
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がん腫とは? |
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がん腫(がんしゅ)とは、皮膚、呼吸器、消化管の粘膜をおおっている上皮性組織(じょうひせい そしき)や、腎臓、肝臓、脳、膵臓(すいぞう)などの実質臓器を構成する上皮性組織(じょうひせい そしき)から発生します。
そして、がん腫は、「扁平上皮がん(へんぺいじょうひ がん)」、「腺がん(せんがん)」、「未分化がん(みぶんか がん)」、の 3つにわけられます。
「扁平上皮」とは、皮膚や粘膜など体の表面をおおっている組織で、その役目は体を保護することです。その組織に発症する進行性の悪性腫瘍が「扁平上皮がん」です。
扁平上皮がんは、皮膚、食道、肺、子宮頸部(しきゅうけいぶ)、膣(ちつ)、外陰(がいいん)、陰茎(いんけい)、陰嚢(いんのう)、などに発生します。
腺がんとは、身体の内部の分泌物(ぶんぴつぶつ)を出す上皮から発生するがんで、肺、消化器、乳房、子宮体部、前立腺(ぜんりつせん)、甲状腺(こうじょうせん)、肝臓、腎臓、膵臓(すいぞう)、胆のう(たんのう)、などに発生します。
未分化がん(みぶんか がん)とは、発生の母地(ぼじ)となった細胞が確認できない、言いかえれば、扁平上皮がんか、腺がんかはっきりしないものの、がんであることははっきりわかっているものです。
体のどの場所にも発生するもので、増殖(ぞうしょく)も転移も速く、悪性度が高い傾向があります。特に甲状腺や肺などにかなり多く見られます。
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