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緩和ケアは、「施設ケア」と「在宅ケア」に大きく分類されます。
施設ケアとは、患者さんがホスピスや緩和ケア病棟などの医療機関の施設に入院して受けるケアのことです。施設ケアは、さらに、「院内独立型」、「院内病棟型(いんない びょとう がた)」、「院外独立型」、「院内分散型」、の 4つに分類することができます。
在宅ケアとは、医療機関などではなく、自宅などの患者さんが望んでいる場所で緩和ケアを受けることです。
施設ケアと在宅ケアの「ホスピス・緩和ケア病棟の形態」については、下の表にまとめましたので、ご覧下さい。
院内独立型 |
病院の敷地内に、別の建物として建てられているホスピス・緩和ケア病棟がある形態。 |
院内病棟型 |
一般病院の病棟の一部を、ホスピス・緩和ケア病棟として利用する形態。日本でもっとも多くみられる。 |
院外独立型 |
ホスピス・緩和ケア病棟の施設としての基準を満たす建物を、独立に設立する形態。日本では少ない。 |
院内分散型 |
ホスピス・緩和ケア病棟の施設としての承認基準を満たした病棟を持たず、専門のスタッフがチームとして緩和ケアを行う形態。 |
在宅緩和ケア |
訪問診療や訪問看護を中心に、自宅で緩和ケアを行う形態。施設はあっても、緊急の時の短期入院のみに使われる。 |
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施設ケア・在宅ケアのメリットとデメリット |
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施設ケアにしても在宅ケアにしても、メリットとデメリットがあります。
施設ケアのメリットは、病状が悪化したときなどにはすぐにケアを受けることができます。また施設では病院よりも規則が厳しくないので、病院よりも快適です。また、同じ患者さんやボランティアの方と交流することができます。
施設ケアのデメリットとしては、自宅と比べると自由度が低く、頻繁に家族や友人と会うことなどができないということが言えます。
在宅ケアのメリットは、患者さんの住み慣れた環境で、家族や友人などといっしょに自由な時間を過ごすことができるという点です。
在宅ケアのデメリットは、医療スタッフがいつもそばにいることができないので、急な体調の変化などへの対処が施設ケアに比べて遅くなることがあるというところです。
それぞれ、メリットとデメリットがあるので、患者さんやご家族の状況に合わせて決めましょう。また、施設ケアから在宅ケアへ、逆に在宅ケアから施設ケアへ、というように状況の変化に応じて自由に変える方法もあります。片方のケアにこだわる必要もありません。
施設ケアや在宅ケアは、患者さんの希望により選択することができますが、患者さんの体調などによって、在宅ケアが無理である場合もあります。また、施設ケアを希望しても、施設に空きがなかったり、その他の条件などによっては、一時的に在宅ケアになる場合もあります。
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