夜間頻尿とは、夜寝ている時に何度もおしっこがしたくなり目を覚ましてしまい、トイレに行く回数が増える頻尿のことです。
夜間頻尿は、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)や前立腺癌(ぜんりつせんがん)を発症している方によくみられる症状です。その他さまざまな病気でも夜間頻尿は起こります。加齢によっても起こるようになります。
普通、排尿の機能が正常な場合は、寝ている間は膀胱が伸縮性を増して尿をたくさんためられるようになります。
さらに、就寝中は腎臓(じんぞう)があまり尿を多くつくらないようになります。寝ている時は脳下垂体(のうかすいたい)から抗利尿ホルモン(こうりにょうほるもん)が分泌されて腎臓に働きかけ、尿が濃くなって尿の量を抑えるからです。
しかし、前立腺肥大症や前立腺がんなどの病気や加齢により、夜間頻尿がおこってしまいます。
加齢による夜間頻尿が起こる原因は、抗利尿ホルモンの分泌が減少して、夜間に尿を濃縮する力が弱くなる、また、膀胱の収縮力がなくなってきてしまい、夜間に尿をためられる量が減ってしまうことなどからです。
夜間頻尿であると考えられる症状は、毎晩 3回以上トイレに行くが、1回の排尿量が少ない、という場合です。
夜間頻尿は、前立腺肥大症や前立腺癌を発症している方によく見られると解説しましたが、他にも、心臓病がある方は起こりやすいです。糖尿病・高血圧・睡眠時無呼吸症候群である方にも見られることがあります。
コーヒーやアルコールによっても、夜間頻尿につながることがあります。コーヒーに含まれているカフェインやアルコールは利尿作用(おしっこを増やす作用)があるからです。
以上のように、夜間頻尿には様々な病気が背景として存在している場合が多いです。ですから生活習慣病に注意することも大切です。 |