外傷性クモ膜下出血とは、頭部の怪我(けが)が原因で起こるくも膜下出血です。
脳をつつんでいる、硬膜(こうまく)・くも膜・軟膜(なんまく)の3層の脳膜(髄膜:ずいまく)のうち、硬膜の内側にある薄いくも膜と脳の間に出血が起こり広がった状態です。
外傷性くも膜下出血の症状は、激しい頭痛、吐き気・嘔吐、意識障害、半身の麻痺、半身の感覚障害、言語障害、痙攣(ケイレン)などです。
外傷性くも膜下出血の検査は、CT検査により行います。出血していると、その部分が白く映るので、外傷性くも膜下出血であるかどうかは判断することはできます。
ただ、場合によってはちゃんと区別するために、脳血管の検査によって脳動脈瘤があるかどうかを調べることもあります。
脳血管の検査方法は、MRIにより血管を映す検査の「MRA(MRアンギオグラフィー)」や、CTにより立体的に脳血管を映し出す「3D-CTアンギオグラフィー」、ふとももなどの動脈からカテーテルを挿入し、造影剤(ぞうえいざい)を注入して撮影する「脳血管造影(のう けっかん ぞうえい)」があります。
外傷性くも膜下出血の治療に関しては、くも膜下に発生した出血は、自然に吸収されるため、手術で取り除くことはしません。外傷によって頭蓋骨の中の圧が上昇する「頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)」がある場合は、それを解消するための治療が行われます。
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