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膣と膣がん |
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膣(ちつ)とは、子宮頸部(子宮の入り口の辺り)と外陰(腟口の周囲と女性外性器を含む部分)をつなぐ筒状の組織です。
膣の表面は粘膜でおおわれていて、膣がんはこの粘膜組織から発生します。女性のがんのうちでもまれなガンで、女性性器がんの約1%程度です。
膣がんには、膣から発生した「原発性がん」と、他の臓器(子宮、外陰(がいいん)、膀胱(ぼうこう)、直腸など)から転移してきた「転移性がん」があります。原発性がんは膣がんの約30%ぐらいで、転移性がんは膣がんの約70%ぐらいです。
膣がんのできやすい部分は、膣の入り口側と奥側(子宮側)で、中でも奥側で後ろ側の膣壁に発生しやすいです。がんの形は球状か楕円形で、潰瘍(かいよう)状のかたい「しこり」ができます。
膣がんには、「扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)」と「腺がん(せんがん)」という 2つのタイプの組織型があります。そして、80〜90%の膣がんは扁平上皮がんです。
膣壁は、筋組織が薄く少ないので、早期がんでも膣壁や膀胱壁を破って外陰部や子宮などの周辺の臓器へ進んでしまいます。また、膣がんは、骨盤内のリンパ節から肺などへ転移しやすいです。
膣がんの原因は、これといったものがありません。発生する確率は低いですが、進行が速いがんでもあります。
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膣がんと年齢 |
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膣がんの発生年齢は、原発性のものであれば 50歳〜60歳ぐらいの比較的高齢者に多く見られます。ただ、20代、30代でも発生することがあります。
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